みなさんの家の瓦。ほとんど違いがないように見えるかもしれません。 実は同じように見える屋根も、形状、傾斜角度、サイズ、素材、色の組み合わせがたくさんあります。 家がどれも同じではないように、瓦もその家にピッタリ合ったものが使用されているのです。
私たち石敏鐵工は、そんな屋根瓦を作るための金型・プレス機を作るメーカーから始まりました。 愛知県の三河地方は日本三大瓦の生産地の一つ。 その歴史は長く祖父の代で創業し、75年間、お客様が望む屋根瓦と瓦生産には欠かせない機械・金型作りを行ってきました。 私たちは、家に住む人の生活が豊かになることをイメージして、皆で試行錯誤しながら、製品を生み出してきました。
その姿勢は今も昔も変わりません。数年前より瓦製作のノウハウ、技術を他分野にも応用し、自動車の機械部品、自動車部品の評価用治具、船舶、鉄道車両、工作産業機械の機械部品試作加工など、 大量生産に向かない特定用途向け装置や試作部品の受注生産を行っています。
特に自動車部品は、瓦金型以上に高い精度が求められる厳しい世界です。 お客様のご要望に応えるべく、機械設備も十分なものを揃え、今後も、製品の幅を広げて、 様々な分野で役立つ製品を世の中に送り出していきたいと思っています。
創業以来、常にお客様のご要望に対して、一緒に考えて形にしてきました。
「効率よく大量に瓦を生産できるようにしたい」という、相談を受けたことから生まれた瓦プレス機。成形して搬送する工程を効率化できるプレス機は、安価で瓦を流通することに貢献しました。
また、写真の瓦の真ん中にある筒のような部分は「雪止め」といいます。屋根は斜めになっていて、雪が溶けるとそのまま下に落ちてしまいます。豪雪地帯で暮らす人の役に立ちたいと考えられたのが、「雪止め」です。この筒状の部分がストッパーとなり、下にいる人が安全に過ごせる設計となっています。
1例ではありますが、このように、お客様の想い、期待に応える製品作りを今後も続けていきたいと思っております。
安定した経営とは、会社が安定して継続し続け、社員とその家族の生活を守ること、また、社員が安心して働ける環境を作るのも私の仕事だと思っています。
そのために急激な成長を望まず、1人1人のお客様を大切にし、1歩1歩丁寧な成長を心がけています。丁寧な成長とは、「製品を通してお客様の役に立ちたいし、喜ばれたい」という思いを忘れずに、本気で仕事に取り組むこと。それが社員の生活を守ることにつながると思っています。
私たちが目指すのは瓦産業を盛り上げていくことはもちろん、その技術を活かしてもっと多分野の製品も作っていくことです。
今は、瓦金型製作、瓦製作機械、自動車部品が中心ですが、今後は他の業界で必要とされている部品などの開発にもどんどん携わっていきたいと思います。
経営理念の「期待に応える」を遂行するために、今まで培った技術をベースに、業界の垣根を超えて、技術を通してお客様や世の中の役に立つ企業でありたいと思っています。